戦後、米軍パラシュートを裁断し、刺繍をほどこして「スカーフ」を作り、それを米兵に売ることで生計を立てていた、という女性たちの話を聞いた。この事実を僕は知らなかったし、ほかのウチナーンチュも知らないだろう。このままではこの事実は無かったコトとなり、きっと忘れ去られてしまう。それを残すため、証言者の和宇慶ミツ子さんと共にプロジェクトを始めた。

米軍パラシュート( 落下傘) は、戦争のために作られて、使われたモノだ。敗戦後、当時のウチナーンチュは落ち込んで、沈んだ気持ちでいただろう。そんな中で、「パラシュートを、スカーフにして刺繍をする」コトによって、女性たちは、まったく幸せとは言えない目の前の現実から一時的に逃れて、ポジティブに自由に美しさを表現する「翼」を持てたのではないだろうか。落下とは逆に気持ちは舞い上って、精神も解放されたのではないだろうか。そのモノづくりの精神性を「翼」の形や「飛び立つ」イメージで表現する。

米軍パラシュートをスカーフに刺繍を行う一般向けワークショップを開催。当時の女性の気持ちを追体験しながら出来たスカーフも「翼」の形で展示。現在、もはや過去ではない戦争の影響でネガティブな気持ちになりがちだ。しかし、先人たちのようにポジティブに転換する方法はきっとあると思う。

BASE OF PEACE 2023 . 8 . 9 ~ 9. 3 那覇文化芸術劇場なはーと (沖縄県)


素材:米軍パラシュート、米軍パラシュート白色部分( 米軍放出品 )

   刺繍(ワークショップ参加者による)